三十代半ばを過ぎた頃、私は仕事の激務と深夜までの趣味の時間が重なり、毎日平均して四時間程度の睡眠で過ごす生活を数年間続けていましたが、ある日鏡を見たときに頭頂部の分け目が以前よりも明らかに広がり、地肌が透けて見えていることに気づき、背筋が凍りつくような衝撃を受けました。洗髪後の排水溝にはこれまでに見たことがないほどの抜け毛が溜まり、枕元にもハラハラと落ちた髪が散乱する光景を目にするたび、言いようのない不安と焦燥感に襲われる毎日が始まりました。最初は年齢のせいだと思い込み、高いシャンプーやサプリメントを試しましたが一向に改善の兆しはなく、髪は日に日に細くなっていく一方でした。絶望感の中で自分の生活を見つめ直したとき、最も疎かにしていたのが睡眠であることに気づき、そこから私の睡眠改善という名の育毛プロジェクトが動き出しました。まず徹底したのは、何があっても深夜零時までには布団に入り、最低でも七時間の睡眠時間を確保することでした。最初は寝つきが悪く苦労しましたが、寝る二時間前にはスマートフォンを遠ざけ、湯船にゆっくり浸かって深部体温を調整する習慣を続けた結果、次第に深い眠りを得られるようになり、朝の目覚めが劇的に変わりました。驚いたことに、睡眠習慣を変えてから三ヶ月ほど経った頃、抜け毛の量が明らかに減り始め、半年が経過する頃には産毛のような新しい髪が芽吹いているのを実感したのです。髪の毛一本一本にハリとコシが戻り、かつての絶望が嘘のように、今では自信を持ってヘアスタイルを楽しめるようになりました。この経験を通じて私が痛感したのは、髪の健康は自らの身体をどれだけ慈しんでいるかの現れであり、睡眠を削ることは自らの未来を削ることと同義だということです。どんなに忙しくても眠る時間を最優先に確保することこそが、副作用のない最高の育毛剤であることを、自分の身をもって証明することができました。
不規則な生活で髪を失いかけた私の再生記録