美容現場に立っているとお客様からくせ毛で広がるのも嫌だけれど縮毛矯正をかけて薄毛が目立つのも怖いという切実な相談を毎日のように受けます。確かにお客様の年齢と共に髪の悩みは変化し二十代の頃はとにかく真っ直ぐでサラサラな髪が憧れだった方も四十代を超えると髪の密度やコシの低下を実感されるようになります。そこで私たちプロの美容師が提案しているのは引き算の縮毛矯正という考え方です。これまでの縮毛矯正は全ての髪を一律に板のように真っ直ぐにするのが正解とされてきましたが薄毛が気になるお客様に対してそれをやるとどうしても地肌が透けてしまい不自然な印象を与えてしまいます。最新の技術では髪の根元数ミリから一センチをあえて外して薬剤を塗布することで自毛の立ち上がりを殺さずに毛先の広がりだけを抑えることが可能になっています。また薬剤の選択も非常に進化しており従来のアルカリタイプではなく髪と同じ弱酸性の薬剤を使用することでキューティクルへの負担を最小限に抑え髪の体力を残しながらくせを緩和する酸性ストレートが主流になりつつあります。この手法であれば髪が細い方でもツヤを出しつつふんわりとした柔らかさを維持できるため薄毛を目立たせたくないという要望にも応えやすくなっています。さらにはカット技術との組み合わせも重要で顔周りだけに矯正をかけて後ろのボリュームは残すとかレイヤーを入れて髪の重なりを調整することで視覚的に髪を多く見せる工夫を凝らします。お客様の中には縮毛矯正はもう自分には無理だと諦めている方もいらっしゃいますが適切な診断と最新の技術を用いればくせ毛のストレスから解放されながら若々しいボリュームを維持することは十分に可能です。大切なのはお客様自身が自分の薄毛の進行度や髪の細さを隠さずに美容師に伝えることであり私たちもその信頼に応えるために日々技術を磨いています。髪の悩みは一人で抱え込まずプロの知恵を借りることで解決の糸口が見つかるものです。
美容師が語る縮毛矯正と薄毛の悩みを両立させる技術の進化